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福井県立恐竜博物館(同県勝山市)は18日、同市北谷町の白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から、羽毛を持つ2足歩行の小型肉食恐竜「ドロマエオサウルス類」の化石約160点が見つかったと発表した。同一個体の化石で、全身を構成する骨(約270個)の6割分に相当し、全身骨格の復元が可能。東洋一副館長は「新属新種にほぼ間違いない」と話しており、学名が付けば、同じ地層で発見されたフクイサウルス、フクイラプトルに次いで、国内3頭目となる。

 またドロマエオサウルス類としては国内で初めて脳を納めた骨「脳函(のうかん)」も見つかった。博物館は平成21年度で復元作業を完了させる方針。

 同博物館によると、化石は1つの岩から見つかったことから、1体の恐竜のものと断定。25の骨で構成される右後足は23点の化石がそろっている。

 小型肉食恐竜は、見つかった化石から全長約1・7メートルと推測。脳函は高さ3・7センチ、幅5センチ、長さ6・7センチ。嗅覚(きゅうかく)、視覚、聴覚の神経が通った穴が良好な状態で残っており、CTスキャンで内部構造を詳しく調べる。

 ドロマエオサウルス類は白亜紀前期から後期にかけて繁栄した羽毛を持つ二足歩行の恐竜だが、上あごの骨の形状や歯が滑らかな点でこれまでの発見例にない特長を持っており、新種の可能性が高い。東副館長は「ドロマエオサウルス類の進化の段階を示す化石だ。国際的にも高い評価が得られるのではないか」と話している。

 今回見つかった化石は20日から4月5日まで同博物館を展示する。

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